計測自動制御学会 制御部門 都市インフラシステム構築と制御調査研究会
概要
名称
- 日本語:都市インフラシステム構築と制御調査研究会
- 英語:Research Committee on Control and System Design for Urban Infrastructures
メンバー
- 主査:滑川徹(慶應義塾大学)
- 副主査:飯野穣(東芝インフラシステムズ)
- 幹事:向井正和(工学院大学),小島千昭(富山県立大学)
- 委員:伊香賀俊治(慶應義塾大学),井上正樹(慶應義塾大学),内田健康(早稲田大学),河合宏之(金沢工業大学),岸田昌子(国立情報学研究所),黒崎淳(アズビル),小木曽公尚(電気通信大学),坂本義行(東芝),佐々木智丈(富士通研究所),角田友将(富士通研究所),畑中健志(東京工業大学),早川朋久(東京工業大学),原辰次(中央大学),増淵泉(神戸大学),松田忠典(千葉工業大学)
設置期間
- 2015年9月~2017年8月
予定
11月11日(土)第60回 自動制御連合講演会 OS「超スマート社会に貢献するシステム制御」
本調査研究会では,第60回 自動制御連合講演会(2017年11月10日(金)~12日(日)・電気通信大学)において,オーガナイズドセッション (OS) を企画しました.一般からのご講演も受け入れておりますので,積極的なOSへのご参加をお待ちしております.
- OS名:
- 和文:超スマート社会に貢献するシステム制御
- 英文:Systems and control for super smart city
- オーガナイザ:滑川徹(慶應義塾大学),飯野穣(東芝インフラシステムズ),向井正和(工学院大学),小島千昭(富山県立大学)
- 日時:2017年11月11日(土)
- 会場:C室(電気通信大学 東4・5号館 241号室)
- 一般からの講演受け入れ:可
- 概要:企画母体である都市インフラシステム構築と制御調査研究会は,制御理論研究者,制御応用研究者,企業の研究開発者を集め,都市インフラシステム構築と制御,管理,計測技術の方向性に関して調査研究を行って来た.このセッションでは,調査研究会委員による都市インフラシステムに関する研究をさらに発展させ,これから到来する超スマート社会 (Society5.0) に貢献する上下水道網,交通網,送電網,情報網などのシステム制御に関する講演を集めたセッションとする.
OS「超スマート社会に貢献するシステム制御 (1)」
- 日時:2017年11月11日(土)10:30~12:00
- 会場:C室(電気通信大学 東4・5号館 241号室)
- 座長:小島千昭(富山県立大学)
- 講演:
- ○ 田原正崇(東京工業大学),畑中健志(東京工業大学):ビル空調制御・最適化シミュレータの構築と物理融合型最適エネルギー管理アルゴリズムの検証
- ○ 藤原健一(東芝),杉崎智子(東芝キヤリア),木口行雄(東芝キヤリア):オフィス空調の使われ方分析と省エネ運用提案
- ○ 向井正和(工学院大学):車両のグループ化とモデル予測制御による交通システム円滑化に関する一考察
- ○ 飯野穣(東芝インフラシステムズ):多目的階層型アグリゲータによるマルチサービスの効用に関する考察
- ○ 中西啓晃(慶應義塾大学),滑川徹(慶應義塾大学):マッチング理論に基づくスマートパーキングシステムによる最適駐車場割当
- ○ 林靖大(慶應義塾大学),滑川徹(慶應義塾大学):分散協調型モデル予測制御による車両群の合流制御
OS「超スマート社会に貢献するシステム制御 (2)」
- 日時:2017年11月11日(土)13:00~14:45
- 会場:C室(電気通信大学 東4・5号館 241号室)
- 座長:畑中健志(東京工業大学)
- 講演:
- ○ 篠原巧(慶應義塾大学),滑川徹(慶應義塾大学):攻撃存在環境における凸最適化に基づくセキュア状態推定
- ○ 馬場陸名(電気通信大学),日下雅博(電気通信大学),小木曽公尚(電気通信大学):オブザーバを用いた暗号化制御系および実機検証
- ○ 鈴木崇司(電気通信大学),小木曽公尚(電気通信大学):動的鍵管理による暗号化制御系
- ○ 増淵泉(神戸大学),浅井徹(名古屋大学),和田孝之(大阪大学),花田研太(大阪大学),藤崎泰正(大阪大学):ADMMに基づく分散最適化プロトコルに現れる動的システムの性質について
- 瀧田雄太(東京大学),○ 小島千昭(富山県立大学),原辰次(中央大学):開水路ネットワークの階層性に基づくモデリングと分散協調制御
- 三角修一(東京工業大学),○ 早川朋久(東京工業大学):フリーライダーを考慮したネットワーク形成モデルの解析
- ○ 鈴村美月(慶應義塾大学),井上正樹(慶應義塾大学):大規模系の分散制御のための局所IMCの提案
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目的と担当分野
目的
都市インフラシステムの構成要素としては上下水道網,交通網,送電網,情報網などが挙げられるが,それは,個々のサブシステム間の複雑な相互作用および相互干渉を含む大規模分散階層ダイナミカルシステムと見なすことが出来る. これまでは,都市インフラの各要素がどのように相互作用・相互干渉し,その結果,大規模な動的システムが構成されているかについてシステム制御工学的な解析が充分に行われていなかった.最近の大規模天災は,現在の都市インフラシステムにおける個々の社会基盤システム間の相互連携不足を露呈し,現状の都市インフラシステムが災害や事故に脆い事実が改めて浮き彫りとなった. 現在,都市インフラシステムのモニタリングおよび制御のために,情報端末や計測制御装置が導入され始め,これに伴い都市インフラシステムの各サブシステム間の相互依存度が益々高まってきており,システム理論,制御理論,情報理論,意思決定理論を使用し,都市インフラシステムの分析,設計および最適化について研究が行われつつある. 本調査研究会は制御理論研究者,制御応用研究者,企業の研究開発者を集め,都市インフラシステム構築と制御,管理,計測技術の方向性に関して調査研究を行う.
担当分野
1. 複雑な都市インフラシステムの動的モデリング:
都市インフラシステムは,時間的にも空間的にも振舞いも形態も一種のダイナミカルシステムと見なすことが出来る.大規模複雑系である都市インフラシステムを動的システムとしてモデリングし,得られたモデルを用いて,サブシステム間の干渉,独立を含めた複雑動的システムの振舞いを予測・分析する研究について調査を進める.
2. サイバーフィジカル都市インフラシステム:
サイバーフィジカルシステムは,実世界に浸透した組み込みシステムが構成するセンサネットワークの情報を,サイバー空間の強力なコンピューティングツールと結び付け,より効率のよい高度社会を実現するためのサービスおよびシステムである.都市インフラシステム分野におけるサイバーフィジカルシステムについて調査を行う.
3. 都市インフラシステムの適応力と回復力:
今日の都市インフラシステムが直面する主な挑戦課題である,極端な負荷(地震,台風,突風,高潮,高波,風雪)による破壊と損害のリスクを軽減し,かつ都市のインフラストラクチャーの回復力を増強する方法について調査する.
4. 超低消費電力センシングと都市インフラシステムの状態推定:
大規模で知的な都市インフラのフィードバック制御を実現するには,リアルタイム最適化や意思決定のための大規模リアルタイムセンサネットワークの構築が必要である.この都市インフラの計測データセットは莫大になり,ビックデータとなるため,システム制御理論,および機械学習理論などを駆使して有効活用する研究について調査する.
5. スマート水道網:
スマート水道網では,計測制御技術とICT技術の進展に伴い,全水道網の状態をリアルタイム計測することにより,水流と情報の流れを連繋させ,水道網を完全自動制御出来るだけでなく,水道管のトラブルなどの故障検出も可能となる.また水需要に合わせた効率的な水分配の実現を目指している.このようなスマート水道網に関する調査を行う.